第十回「八咫烏杯」結果発表
漫画誌ハルタの新人賞「八咫烏杯」。第十回で選出された8名はこちらです。
精彩を放つ新鋭たちのこれからの活躍に、どうぞご期待ください!
(受賞作品は2025年11月14日発売のハルタ129号より順次掲載予定です。追って、当サイト上でも公開いたします)
受賞作品
あらすじ
20年前に死んだ親友が、いまだに夢に現れる。結婚して子どもも生まれたのに、心はあの頃に置き去りのまま、時だけが過ぎていく――。
編集者からの選評
矛盾を孕んだ人間の複雑な感情を掬い取り、丁寧に描けていました。物事の一面だけに囚われずに、多面的に見ることのできる優しい目を持っている方だと思います。確かな基礎を身につけて、大きく羽ばたいていってほしいです!
作者コメント
身近な人を亡くした時のメモから構想しました。ぐちゃぐちゃな感情が伝われば嬉しいです! 不慣れな作画な上 短いですが、読んでください。
あらすじ
地球の生命創造に勤しむ天使たち。魚、陸上生物、鳥、そうして試行錯誤の末に人間が誕生する……が、創造は競争に変わっていく。
編集者からの選評
静かで鋭い語り口が目立っていました。「欲望」というものを描いているのにギトギトせず軽やか、加えてテンポの良いモノローグと愛嬌ある絵柄で読む人のハードルも低めに設計。達者です。創造主たちのコミカルな表情も良かった!
作者コメント
語り手の自慢話のお話です。セリフ無くて大丈夫かなと思っていましたが、主人公も居ないことに気づきました。ご覧頂きありがとうございます。
あらすじ
博士の遺志を胸に月を目指すアンドロイド・シエル。だが“博士の娘”を名乗る人間の登場が、彼女の使命を揺るがす――。
編集者からの選評
博士に寄り添うために生まれたアンドロイドと、愛を求めた娘。同じ人に想いを抱く二人が心を通わせていく姿が温かく美しい。表情で語る描写が上手で、情景の見せ方にもセンスを感じました。次作からその力を一緒に伸ばしていきましょう!
作者コメント
主人公はアンドロイドなので汗も涙も出ませんが人を愛することが出来ます。
あらすじ
いつも一緒にいる狐と狸。「お金を多く稼げたほうが勝ち」というゲームで地道に働く狸に対し、狐は遊女に化けて大金を得ようとする。
編集者からの選評
狐と狸の勝ち誇った表情や掛け合い、キャラクターへの愛情が深く伝わってきました。「勝負」というお話の筋を最後まで崩さず、狐と狸の対比、辻斬りの登場などで読者を飽きさせない工夫がされており、サービス精神を感じます。
作者コメント
はちゃめちゃキャラクターの素直で元気いっぱいな姿をギュッと詰め込み、読んだ人が楽しい気持ちになるよう工夫しました!
あらすじ
男が旅の途中で立ち寄った村は死体で溢れていた。ただ一人生き残った少女が語る惨劇の経緯とは? 迫力の筆致で描く復讐活劇!
編集者からの選評
漫画での表現力が非常に高い。登場人物の心情が伝わる芝居、息もつかせぬアクション、グッと来る表情に、印象に残る冴えたセリフ。終盤の盛り上がりは、読了後しばし呆然してしまうほどに素晴らしかったです。
作者コメント
動物を描くのが苦手で、四苦八苦しました。出てくるのが虎なのは私が寅年だからです。次は他の生き物も描きたいです。蜘蛛とか。
あらすじ
緑川先生が好きだ。妄想では何度も付き合ったし喧嘩もした。でも告白なんてできるわけがない。そんな時、夜のプールで先生に出くわして――。
編集者からの選評
恋の衝動的な一面を、緩急のついためくりの演出で巧みに表現していて、惹きこまれました。軽妙な会話劇に、可笑しく愛おしい登場人物が魅力的。言葉のチョイスも面白く、漫画を読ませる力のある方だと思います。
作者コメント
ひと夏、自分へ宝物を贈るつもりで描きました。夏に見たい…けど見れない! と思うものを色々詰めました。受賞でき大変光栄です!
あらすじ
半年前に落ちた隕石のせいで、町中に奇病が蔓延。日常が激変するも、ご飯は毎日食べなきゃいけない。明日を生きるためのラブストーリー!
編集者からの選評
魅力的な表情を描くこと。画面に写すものを意図的に制限して読者の印象を操り、ページをめくるたびに驚かせること。構成上の盛り上がりを作ること。そして短いページ数でまとめること。いずれも難しいですが、見事に達成されていました。
作者コメント
え〜ッ!? 私が魔法少女ハルタに変身〜!? 自己愛が強いのがコンプレックスなので他者への愛を描きました。愛してやって下さい。
あらすじ
魔性の青年が金持ち夫人に囲われている。彼に魅了された使用人が次々と解雇される中、〈私〉が雇われ続けているのは……彼と不仲だから。
編集者からの選評
緻密な絵作りに圧倒されました。見せゴマで読者の心を惹きつけようという気合いを感じます。入り組んだ心情が抒情的かつ明快に表現されているのも凄い! 「前半と後半で同じモノローグを入れているが意味は逆」という演出にはしびれました。
作者コメント
悪童と嗜める年上が大好きです。己の嗜好に誠実になれた作品で受賞でき、幸甚の至りです。ありがとうございます!
★★★★★★★★★★★★★★
以上、第十回八咫烏杯受賞作品でした。 本誌に掲載後、本サイトでも作品が読めるようになります。お楽しみに!
開催履歴
過去の受賞作品は下記のページにてお読みいただけます。歴代の作品に興味を持った方は、どうぞ第一回からさかのぼってお楽しみくださいませ。読み応えたっぷりの力作揃いです!
以下のページにて、過去の受賞者の確認と受賞作品の閲覧ができます。
第一回 八咫烏杯(2021年4月15日発表)

第二回 八咫烏杯(2021年10月15日発表)

第三回 八咫烏杯(2022年4月15日発表)

第四回 八咫烏杯(2022年10月15日発表)

第五回 八咫烏杯(2023年4月15日発表)

第六回 八咫烏杯(2023年10月15日発表)

第七回 八咫烏杯(2024年4月15日発表)

第八回 八咫烏杯(2024年10月15日発表)

第九回 八咫烏杯(2025年3月15日発表)
