ハルタ Harta

2024/04/15

第七回八咫烏杯結果発表

漫画誌ハルタの新人賞「八咫烏杯」。第七回は、個性が光る8名の作家が受賞しました。 次代を担う新星の今後の活躍にぜひご期待ください! (受賞作品は、2024年5月発売のハルタ114号、6月発売の115号に順次掲載予定。追って、当サイト上でも公開いたします)

受賞作品

救世主の願い
甘川まひろ (あまかわ・まひろ)

ハルタ115号に掲載

あらすじ
人里離れた山奥で火星人と遭遇したケンジ。どうやらその火星人は、汚れた地球を燃やしに来たらしい。

編集者からの選評
鮭おにぎりを見るたびに、この作品を思い出すだろう。短いページの中での二転三転に驚かされる、キレのいい読切。大変な状況なのに、それを感じさせない主人公と火星人のゆるい会話が楽しい。キャラクターに細かい演技をさせるのが上手い!

作者コメント
暗いけどさっぱりとした漫画を目指して描きました。上手くいっていたら嬉しいです。ありがとうございました!

いじめないでくれてありがとう
生田依 (いくた・より)

ハルタ114号に掲載

あらすじ
久しぶりの同窓会は、世界的な音楽コンクールで受賞を果たした柚原の話題で持ちきりだ。しかし当の本人は意外な一言を発する。

編集者からの選評
心に刺さった棘のような過去を掬い上げる、普遍的な作品でした。読者の感情を揺さぶるためにどう演出すべきかという視点を持って執筆できています。あとは、どんな切り口なら華のあるビジュアルを作れるかを、一緒に考えていきましょう!

作者コメント
「やらない勇気」を持った人に、何か伝えられればと描きました。これからも、見えないものを慎重にかたどっていきたいです。

忘れ物センター
江見伊吹(えみ・いぶき)

ハルタ114号に掲載

あらすじ
駅の忘れ物センターに、一冊のノートを届けた男。彼は、「3ヵ月経ったら、中身を確認してほしい」と言い残し去っていった。

編集者からの選評
もの珍しいシチュエーション選び、先の展開を気にさせる構成力、そして妙に人間味のあるセリフなど、「この人の作品が読みたい」と思わせる力がありました。人物の絵にも愛嬌があるので、一作を描くごとに上達していくと思います!

作者コメント
特別な力に頼らずにできることを考えました。絵が下手なので、せめてストーリーの輪郭をはっきりさせようと心掛けました。

勝手な体
佐藤パイル (さとう・ぱいる)

ハルタ115号に掲載

あらすじ
脳とは違う言動をしてしまう体を持つ自分に辟易していたら、人間に体を捨てさせ脳だけにするという宇宙人に連れ去られました。

編集者からの選評
現代モノだと思って読み進めると、想定外の展開に驚かされました。辛い日々を送る主人公を、シリアスにはならない絶妙な温度感で描いた作風が心地良かった。読者を選ぶ画面なので今後の作品作りを通して磨いていきましょう。

作者コメント
話のもとは実体験なので思い入れがあり、そんな話で賞をいただけたことがうれしいです。SFを軸に模索しながらがんばります。

ユーレイの先生
白城慧明 (しらき・けいめい)

ハルタ115号に掲載

あらすじ
幽霊に憑かれた人専門のクリニックに、小さい怪獣の霊を頭にのせた患者がやってきた。その怪獣は「ママ」を探しているらしい。

編集者からの選評
キャラクターへの愛情が伝わってくる作品でした。優しさがあふれる人物デザイン、愛らしさを全面に押し出した怪獣のフォルムが作品とマッチしていました。怪獣の細やかな動きとくるくる変わる表情に、読者へのサービスを感じます。

作者コメント
マスコット的なキャラクターを描きたくて出来上がった作品です。頑張って生きている幽霊の姿を見届けて頂けたら幸いです。

幸せのmate*
睡めら野 (すい・めらの)

ハルタ114号に掲載

あらすじ
華やかなものが苦手な青年のもとへ、宅配便が届いた。それはティータイムを彩り輝かせる、お菓子の妖精で……?

編集者からの選評
幸せな甘い時間をありがとうございます! ワクワクする画面作りに心躍りました。ただ主人公の抱える問題とお菓子を楽しむテーマにズレを感じます。題材を活かせるキャラクター作りを一緒に頑張りましょう!

作者コメント
お気に入りの場所でじっくり読み込めるようなマンガを目指しました。作中に散りばめた輝きを、味わってもらえたら嬉しいです。

一緒に遊ぼう
春野真冬 (はるの・まふゆ)

ハルタ114号に掲載

あらすじ
小学生のユウキとアユミ。出会ってすぐに仲良くなったふたりだが、実は「一緒に遊べない事情」がアユミにはあった。

編集者からの選評
親しみやすい絵柄なのにどこか漂う「不穏」。その正体を少しずつ、でも決して多くを語らず読者に分からせていく。面白い事をするなあと唸りました。かわいさとグロテスクの共存した作品を(技術を磨きつつ!)もっと描いてみてほしい。

作者コメント
遠すぎて見えないだけで、近くから見るとみんな前に進んでいると思います。色んな演出を考えながら作ったので少しでも気づいて貰えると嬉しいです!

春こいこい
宮一マチ (みやいち・まち)

ハルタ114号に掲載

あらすじ
吹雪続きで困窮する村を、ひとりの青年が訪れた。龍神に愛される存在「神子」を自称する彼は、「俺が吹雪を止ませよう」と立ち上がる。

編集者からの選評
魅力の多い作品でした。人物・背景ともに達者で見応えがあります。ファンタジー要素で盛り上げつつ、「親子の絆」という共感性の高いテーマへ移行し、胸を打つラストへ。確かな腕を感じます。すぐに次作を!

作者コメント
一度挫折して描くのを諦めていた作品でした。キャラの表情とトーン貼りに苦戦しましたが綺麗な画面が作れて大満足です!


以上、第七回八咫烏杯受賞作品でした。 本誌に掲載後、本ページでも作品が読めるようになります。お楽しみに!

第八回「八咫烏杯」の開催について

第八回「八咫烏杯」は、2024年秋に開催予定です。
詳細は追って、こちらのページにて告知いたします。

開催履歴

過去の受賞作品は下記のページにてお読みいただけます。歴代の作品に興味を持った方は、どうぞ第一回からさかのぼってお楽しみくださいませ。読み応えたっぷりの力作揃いです!
以下のページにて、過去の受賞者の確認と受賞作品の閲覧ができます。

第一回 八咫烏杯(2021年4月15日発表)

第二回 八咫烏杯(2021年10月15日発表)

第三回 八咫烏杯(2022年4月15日発表)

第四回 八咫烏杯(2022年10月15日発表)

第五回 八咫烏杯(2023年4月15日発表)

第六回 八咫烏杯(2024年10月15日発表)

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